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2023/11/26

【設計事務所のデザインコラム】#24アイデアを成仏させる(行き場を無くした作品)

 

#24名古屋を拠点にインテリアにこだわる設計事務所 CURIOUS design workers【建築家のデザイン思考】

 

アイデアはプレゼンする事で、役割を果たす。



ただもし考え抜いたアイデアを発表できない場合、そのアイデアはどこに行くのか?



そんな事を考えた出来事があった。
これは最近あった「災難」のお話。



先日問い合わせがあり、ある方と打ち合わせした。
セカンドハウス的な住宅を高級住宅街に建てたいとのことで簡単なヒアリングをしたんだけど、なにしろ話す内容がデカい…



また検討している土地の法的制限も厳しいので、理想の建物が建ちそうなら土地購入に向けて動くとのことだ。



土地購入前にどんな建物が建つかを一緒に検討することは比較的多い。建築士という僕たちの立場から、その土地と要望がマッチングするかを見るのは非常に有効な手段だと思う。



その方の話した内容はさておき、非常に雰囲気が良く、また建物難易度も高かったため、少しお時間をいただいて、プランに近いゾーニングを作ることにした。この段階では土地を購入するかどうかわからないが、しっかり判断していけるようなブレスト資料を作って、この土地を判断しようと…



ただ…ある事実が判明した。



記入していただいたその方の現住所が存在しない。



僕らはアイデアが成果物のため、最低限でもちゃんと「存在」が確認できないと、業務に入れない。



コンビニで物を買うとか、居酒屋でビールを飲むとかではなく、いずれ契約行為も発生するため、初回は詳しくはいらないけど、名前と住所くらいは知っておきたい。



「書き間違えじゃない?」とスタッフと話している中で、いただいた会社の名刺を検索したけど、そちらも出てこない。



土地の件でも聞きたいことがあったのでメールをしたが、土地については教えてもらえたけど、住所等に関しては反応が無い…



「ん〜どうしよう」僕は迷った。



このまま進めていいものか…



建築業界にはたまにだけど、情報商材としてプレゼン内容や見積りを取得して、それを同業に売ることを生業にしてる人がいる。設計事務所では稀だが、ハウスメーカーの場合はどうやら高額で売り買いしているらしい。


「クライアントのフリをした偽物?」一瞬頭をよぎった。



確証は無い。



ただ前提として、クライアントが設計事務所を選ぶ基準として「相性」が重要だと思うし、設計事務所側もその相性を大切にしている。双方が魅力を感じてるからこそ、深い要望にたどり着けてそれを解決することができるからだ。ここで言う相性は「円滑なコミュニケーション」だと思っている。



その前提として住所が偽物(結果的にその現住所は道路横のあぜ道だった)だったり、存在しないのであれば、円滑なコミュニケーションが取れていないので、たぶんこのまま進んだとしてもどこかで支障が出ると思った。



プレゼンの日程は決まっていたので、そこでこの辺りの話をしてクリアになれば進めるし、もし曖昧な状態ならこちらからお断りしようと思い、自分の頭に整理をつけて、プラン作成に入った。



「別荘のような雰囲気を住宅街でとなると、法的制限や切り取る借景も無いので、そのまま外に開けた空間は造るのは、求めてる雰囲気にはならないなぁ…」



「本質的な要望はたぶんこれだから、この代替え策が有効じゃないかなぁ」


この瞬間が1番楽しい。



変形敷地、高低差敷地など土地のネガティブと言われる物を、ポジティブに変換させる。
クライアントの要望の本質的な意味を深掘りし、多角的に解決しながら、+αで付加価値をつける。



クライアントワークでは、プレゼンした時の反応がいつもドキドキする反面、すごく楽しみである。



要望が入りつつ、違う角度からの解決策とさまざまな新しい提案を含めたゾーニング(ほぼプラン)ができた。



結構時間はかかったけど、土地購入を判断する材料としてはバッチリだ。

 


そしてアポ当日.…



来ない…



30分経っても来ない…


電話も出ない…



結局この「(仮)VIRA:ヴィラ」というゾーニングは、良いとも悪いとも言われず、「見られない」という結果になった。



今までお問い合わせいただいた方とはあきらかに違う。
こういう経験は初めてだった。



「いきなりドタキャンで音信不通とかひどくない?」
「時間と作業手間でいくらかかってるかわかってるのかなぁ?」
とかを言ってくれる人も多くいたけど、
僕が真っ先に思ったには、この「VIRA:ヴィラ」行く先だ。



このままでは「VIRA」自体もモヤモヤしているはず。
良し悪しの判断もされないのは申し訳ないので、誰かの目にふれる機会をつくりたい。



アイデアをプレゼンすることは一つの成果だと思う。
そこで改善策を見つけ、ブラッシュアップできるからだ。建築のプレゼンも駅のポスターも社内資料も回覧板も、人の目にふれて力を発揮するいわば「作品」だと思う。



今回の出来事は「災難」と位置付けて消化できるとして、
作品である「VIRA」をこの記事を使って成仏させたい。

 


↓「VIRA」の提案パースの一部

 

建物部とジョイント部で構成しながら、建物の高さを操作して隠したい建物を隠し、日の光を反射光として取り入れる

 

 

住宅街に佇むリゾート地のような建物

 

 

自分の建物たちに囲まれた中庭空間に、しっかり影を落として居場所を造る

 

 

エントランスは上部天窓から採光を確保

 

 

 

 

(このほかコンセプト内容や平面図とかもあるが省略します)



人が集まり、非日常を味わう空間。
それはまるで「VIRA」に来たような開放感と気持ちの高揚を演出する。



これが日の目を見なかった「VIRA」です。



これで少しはこの作品も消化されていくのではないかなぁって思います。



アイデアに罪はないので、より多くの方の何かの参考になったり、このパースを見て夢を膨らませてくれたら嬉しいです。



今回はここまで。
ありがとうございました。

 

 

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