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2024/11/25

ジブリから着想を得る/建築のアイディア

今回は愛読書を見ながら、ジブリと建築のお話をしました。お話は何度もみたことがありますが、「建築」という目線では今まで考えたことがなかったので、新しい発見がいろいろとありました。

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スタッフ:ジブリパークって行きましたか?前にジブリが好きっていっていましたよね?

 

ボス:ジブリ好きだし・・ジブリパークは僕の周りの人たち、造形とかで入っているんだよね。造形屋さんは、そういうテーマパークとかもつくるからさ。愛知県だったらジブリパークもそうだし、遊園地もそうだし、それこそディズニーもそうじゃん。アナと雪の女王のエリアが最近できたよね。あそこも、うちがいつもやってもらっているメンバーが関わっていたり。

 

それから、僕の建築の参考書みたいな感じだからね。ジブリがやってる、建物とか背景とかからアイディアをもらうことはめちゃくちゃ多い。
よくC.D.WORKESって造形やることがあるでしょ?



works「Plus kombucha(https://www.cdw88.co.jp/work/detail0070.html)」洞窟つくったりとかさ。

 

 

洞窟

 

works「Vitality(https://www.cdw88.co.jp/work/detail0071.html」崖つくったりとか。

 

 

 

works「ROOM NAGOYA(https://www.cdw88.co.jp/work/detail0075.html」トリックアートつくったりとか。

 

 

トリックアート

 

 

こういうのが好きだからだよね。それ(造形)にプラス、最近はプロジェクションマッピングとかもできるようになったからさ。
建築は、建築材料と設計ですべて完結させるっていう考え方以外のもうちょっとハートフルというか、幻想的っていうか・・そういうのも目指してるよね。


ちなみに、僕がよくみる 愛読書が2つあって。
「ジブリの立体建造物展」と
「デンマークの家具のデザイン史」



この2つは、僕のバイブルだよね。常に持ってる。

 

スタッフ:お気に入りのページはありますか?

 

ボス:お気に入りのページというか、お気に入りの作品とか場面はあるかな。
あとは・・今は3Dだけど、昔は手描きでパースをかいてたんだよね。当時はジブリのかき方を真似たりとかよくしてたよ。

 

 

昔かいた手描きパース

 

ボス:「崖の上のポニョ」のシーンに出てくる、車で海岸沿いをぐーっと走るときに、ガードレールのとこが膨らんだりするとか。あとジブリで出てくる本棚って、本がパンパンにつめられていて、そうすると本棚がちょっと膨らんでたりするんだよね。
ものが ”生きてる” 感じがしてて。そういう、生きた絵をかくのが、すごい好きだったからさ。決してうまいかって言われると、僕の場合ね?うまいとは言い切れないけど、なんか ちょっと見てて面白いとか そういう感じで ”いきもの” として絵をかいてたよね。

それから、よくジブリの建築って、実現可能っていうじゃん? お金をいくらでもかけていいんだったら、実現できるっていう。構造がしっかりしてるとかさ。ハウルだったら、ちゃんと4本足の城でしょ?そこから構造体が あってっていうかたちだから、割とそれは有名な話だよね。
あと、懐かしさもある。情景的にね。「ハウルの動く城」でみるべき内容としては、外観とかかな。魚なのかよくわからない顔があって、上にドーム型の半円みたいな半球体っていうかさ・・ていうデザインがありながら、家みたいなのがぽこっと付いてたりしてて。それって全く違う デザインなのに、 なんかまとまってみえるんだよね。煙突っぽいものが、ちょうどいい長さであったりとか。ファサードデザインが、やっぱり天才的だよね。

 

この本にも書いてあるけどさ、ハウルの足が動くでしょ?あれの支点の部分をしっかり意識してかくようにって書いてあったりするんだよね。じゃないと、違和感があるっていうか・・。

 

 

支点を意識してかく:ボス作。

 

 

 

スタッフ:本当に動くことを想定してかくってことですか?

 

ボス:そうそう。だからたぶん、違和感がないんだよね。ディテールもめっちゃ細かいからね。だって、普通にドアだけ付ければいいのにさ、ドアの上に排煙の窓をつけたりとか。そこまでちゃんとかいてあるし、材料の特性もたぶん分かっていると思う。

 

「千と千尋の神隠し」もそうじゃん 油屋の手前のさ、お父さんお母さんが豚になっちゃった商店街みたいなとこあるでしょ?あそこもね、つくりもそうだし、色合いもそうだし、気の利いた文字とかもあるからさ。看板のデザインもたぶんうまいんだよね。だって「生あります」 とか書いてあるんだよ?

 

 

生あります:スタッフ作

 

 

ジブリを建築っていう目線で見返すと、めちゃめちゃ勉強になる。
タイルの配色とかも素敵だったりするよね。現代の、いわゆるモダン建築っていうかさ。現代の建築家がつくるような建物をつくらない。ジブリの世界って、個性というか独特感があるもんね。千と千尋の油屋もさ、明治大正の擬洋風建築っていうの?日本のそんな感じもあるじゃんね 入り口の部分さ ここにもあるけどさ なまこ壁があったりとかさ

 

 

なまこ壁:スタッフ作。

 

 

灯篭っぽいものがあったりとか、だけど 湯婆婆の部屋ってモールディングがあったりとか。釜爺の部屋で昔ながらの窯みたいな感じでさ、杉の格子の引き戸だと思うんだけど・・

 

 

杉のコウシの引戸:スタッフ作。

 

 

 

天井が格天井になってたりとか、いろんな建築が混ざっているから、それのバランスがいいっていうのがやっぱりすごいよね。だからこういうデザインっていうのをそのまま真似るんじゃなくて、そのアイディアをちょっと現代の仕様に変えて、クライアントさんの使いやすいように変えて、デザインするっていうのは大事だよね。
最初のデザインの 材料というかさ インスピレーションとして 持っておくのは こういう ジブリというのは 僕はありかなとは思う

 

スタッフ:ジブリって古いっていう感じがしないんですよね。なんでだろう・・ 独特な建物がいっぱい並んでいるのに、常に新しく感じる。

 

ボス:古いイコール朽ち果てるっていうことではないからじゃないかな?朽ち果てると、古い家だよねと思うけど、ただ単に年数が経っていてメンテナンスしていれば、懐かしい建築に変わると思うからさ。だから、どうしても経年変化で汚れるところは汚れるけど、そうでないところはちゃんとメンテナンスしているような建築の絵になってるんじゃないかな。

 

サツキとメイの家で土間があるでしょ?
玄関の話(https://www.youtube.com/watch?v=1EPcgAvusQo)の時にも言ったけどさ、土間があって、土間に台所があってって、まさにサツキとメイの家じゃん。
やっぱりみてて思うんだけど、サツキとメイの家の庇の出の下にある、垂木っていうのが、インゴ角なんだよね。ちゃんと建築を知っている人じゃないと適当にかくはずなんだけど、たぶんこれ、スケールでいくとそのぐらいなんだよね。柱と梁の寸法が割と正確な気がするんだよね。
木製建具だって、ちゃんと枠を縦勝ちにしている。

 

ボス:アリエッティの家の暖炉って鉢だからね。どう?この発想?建築家じゃない?

 

 

だんろが鉢:スタッフ作。

 

 

スタッフ:色がこんなにいっぱい入ってるのに、まとまってみえるのが本当に すごいですよね。

 

ボス:インテリアデザイナーの素質もありますね・・

 

スタッフ:こんなにいっぱい色が入って、いろんな柄とか 混じっているのに 可愛くてまとまってるな・・・って思いませんか?

ボス:やっぱ、発想がすごいんだよ。だって アリエッティの部屋にさ、絵画じゃなくて切手が貼ってあって。それが絵画みたいにみえるんだよ 。そういうところに着目してデザインすると、すごいいいよね 。


ボス: 僕の建築のアイディア出しとかさ いろんな部分の 半分ぐらいを占めてる気がする。次は何を話そうね?


スタッフ:まずは、「千と千尋の神隠し」についてがいいです。「千と千尋の神隠し」って、不思議ですよね。この赤提灯って言うんですか?これにステンドグラスとタイルを合わせるって。素人からすると、へんになりそうって思う・・和と洋が混ざっているのに、なんかかわいい。


ボス:たぶん、日本の感覚じゃないんだよね。日本の建築の感覚じゃないんだと思う。世界だったら想像を絶するようなさ、配色をしていたりとかするわけじゃん。いろんな建築があるから、そういうところに着想を得て考えるのであればそういうデザインができるかもしれないんだけど、なかなかこのデザインをできる人はいないと思う。
だって、食堂街ってあるじゃん。あそこのところにかいてある看板とかって、「肉」ってかいてあったり 、「骨」ってかいてあったりとか。もはや看板じゃない・・やっぱりアートでもあるよね 。
ただやっぱりね、こう商店街見てても、これは鉄骨でこれは木造でというのはちゃんとわかるようになってるもんね。
宴会場の天井も折り上げになってたりとかさ、湯婆婆の部屋がモールディングになっているところも、モールディングの厚みがちゃんとしてるんだよね。
だから、ディテールがすごいんじゃないかな?そこに突きつめる力が強いんじゃない?やっぱり突きつめたらね、そうなるんだろうね。

 

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今回は、少しでもイメージがしやすくなればということで、慣れないイラストをかきました。薄目で見ていただけますと幸いです。

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もっと詳しく知りたい方は、ぜひYouTubeをご覧ください▾

https://www.youtube.com/watch?v=S6VdUwd9tcQ

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