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2025/04/18

3Dプリンター住宅についてどう思いますか?

今回は、「3Dプリンター住宅についてどう思いますか?」について話をしました。自分自身が最初に考えてい3Dプリンター住宅は安価で短時間で出来て手軽なイメージでしたが、質問をしてみて、まだまだ日本で普及するには課題も多いのかなと感じました。ただ、アメリカなどでは徐々に普及しているようなので、これからの未来が楽しみだなとも感じました!

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Q1. 3Dプリンター住宅は短時間でつくれる?

スタッフ:3Dプリンター住宅を選択する人がいるというニュースを見て・・調べたら短時間でつくれるとあったのですが。

 

ボス:よく言うよね。でも現実は1日よりもっとかかると思うよ。3Dプリンター住宅のつくり方って、簡単に言うとケーキのホイップを絞るように何層もモルタルを重ねていって壁をつくっていく。構造躯体は1日でできるかもしれないけど、それに加えて給排水が必要だよね。だから、結局2〜3か月はかかると思う。

 

スタッフ:なるほど・・ライフラインとか整えるとなるとって事ですね。

 

 

Q2. 3Dプリンター住宅は安い?

スタッフ:料金も安価でつくれると見ましたが、実際どうなんでしょうか。

 

ボス:そうだね。3Dプリンター1棟でおおよそ300〜500万円ぐらいという謳い方をしているところもあるんだけれど・・
現実的に給排水を入れます。エアコン入れます。地盤が軟弱だったら補強もしないといけない。だから、以前見たものだと結局のところ1500万円ぐらいかかったみたいだよ。通常の住宅よりは安いのかもしれないけどね。

 

 

Q3. 3Dプリンターは自由に色んな形ができる?

スタッフ:3Dプリンター住宅はいろんな形ができるイメージなのですが。

 

ボス:できると思う。できるんだけど、質感とか全部一緒でモルタルの質感。ホイップを重ねるように、横引きみたいな感じで横に線がいっぱい入っている形状が基本。でも、Rのような、円柱のような壁はつくりやすい。

 

スタッフ:でも、機械がつくるということは簡単にはできるって事ですか?

 

ボス:機械が完全にやるんだけど、今の段階では機械を操作できる人がほぼいない。そこがクリアできれば簡単にできるようになるのかもしれないよね。ちなみに、ある会社ではカーボンエックスという機械を入れているんだけど、3Dプリンター住宅をつくるのに、その機械自体を据付しないといけないから狭小地では難しい。ある程度の敷地があって、機械据え付けが出来てっていう条件も必要。

 

 

Q4. 3Dプリンター住宅の強度は?

スタッフ:3Dプリンター住宅はコンクリート造ということですが、そうなってくると構造的には強いんですか?



ボス:壁式のコンクリート造なんだけど、中に鉄筋が入ってないから、強度的に強いと言われているRC(鉄筋コンクリート)造と同じかと言われると、そうではないという結論。

 

 

建築基準法に合わない?

実は、3Dプリンター住宅は今の建築基準法に合わないんだよね。RC造は中に鉄筋を入れなくてはいけないけど、3Dプリンター住宅は鉄筋が入らない。モルタルを重ねているだけ。そこが構造的にNGなんだよね。

 

国土交通大臣認定のモルタル

使用するモルタルも国土交通大臣に認定してもらわないといけない。だから、3Dプリンター用のモルタルは普通のモルタルよりだいぶコストも高いはず。
大林組が初めて建築基準法に合った、3Dプリンター住宅を建てたってニュースがあったけれど、壁を型枠として、その中に鉄筋を入れてコンクリートを入れているはず。

 

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スタッフ:ちなみに、モルタルは割れてきたりはしないんですか?

 

ボス:すると思うよ・・特に高温多湿のエリア。

 

スタッフ:となると、日本には環境的に合わない可能性もある?

 

ボス:あるよね・・湿気、結露、カビみたいな。藻が出たりとかもあるだろうし。アメリカ西海岸とかは一番いいんじゃないかな?雨もあまり降らないし。

まだまだ、一般に普及する住宅にはまだ早いかもしれないけど、例えば簡易トイレやバス停につくるとかはありなのかもしれないよね。

 

 

Q5. 3Dプリンターは災害時に役立つ?

スタッフ:3Dプリンター住宅は、手軽に安価でつくれると思っていたので、災害の時に良いのかな?と簡単に考えてましたが、どうなんでしょうか。


ボス:後々よくなるとは思うけど、今は難しいかな。災害が起こった後って、プレハブみたいな仮設住宅が建っているけど、これも基本的に法律で決まっていて、仮設住宅って2年で撤去するっていうのが前提なんだよね。かけていい金額も決まってるはず。だから、果たして今の段階で3Dプリンター住宅がその金額に収まるかなっていうところ。 今より広まって、価格も落ちて、材料も良くなっていけば、実現可能になるかもしれないね。

 

ボス:でも、3Dプリンター住宅の機械は大きいから、それをどうやって持っていく?という問題もあるし、30棟つくろうと思ったら、30日かかるかもしれないという問題もある。

 

スタッフ:3Dプリンターって、その場でつくるんじゃなくて工場でつくって持っていくと思っていましたが、違うんですね。

 

ボス:いや、その場合もあるってみたこともあるよ。でも、災害時は輸送経路が難しいから、その場で建てないと意味がない気がする。

 

スタッフ:確かに・・災害の時、そこはすごく大事なところですね。そうなってくると持っていくのはかなり難しいですね。

 

ボス:そう。だから、発展すればめちゃくちゃいいと思う。でもまだまだ検討材料が多すぎる。価格の面と法律の面。3Dプリンター住宅を仮設住宅としてつくりました、2年で撤去してくださいとなったときに、コンクリートの解体って大変で費用もすごいから、そうなるとなんのメリットがあるの?となってしまうよね。再生可能だったらいいけど、今は初期段階というか・・未来に向けて実現させていくところだね。

 

 

Q6. 3Dプリンター住宅は海外の方が普及している?

スタッフ:いろんな記事を見ていると、3Dプリンター住宅は海外の方が普及しているのかな?と思ったのですが。

 

ボス:3Dプリンター住宅で一番有名なところが、アメリカのICONという会社。宇宙で建築をするのは3Dプリンター住宅が一番実現可能性が高いという研究をNASAと一緒にしている。

 

スタッフ:それはすごいですね・・ちなみに、宇宙に建てるとなると、宇宙まで機械持っていくっていうことですか?

 

ボス:機械持っていくのはもちろん大変なんだけど、やろうと思ったらできる。それよりも材料が問題だよね・・モルタルをどうやって持っていく?とか。でも今研究しているのが、月の表面ってレゴリスっていう砂があるんだけど、それでモルタルのような材料をつくるっていう・・地産地消を月で 実現させようとしている。
それが進めば、月でもできるし、今後もしかしたら地中とか海底でもできるかもしれない。それから、建築物を建てるのが大変なエリアとか・・富士山8合目もそうだけど、南アフリカの鉱山の施設とかね。
でもそのためには、3Dプリンターの機械を軽量化と小さくするっていうことが必要。あとは、地産地消で現地の砂とかを改良できて気軽に材料となれば、未来は見えるよね。

 

 

最後に

ボス:一般の人が3Dプリンター住宅に求めることはなに?

 

スタッフ:低価格、短時間でつくれる、災害に対応できる。仮設住宅とかじゃなくても、自分が住むにあたって日本は災害が多いから、そういうのに耐えられるものが大事な気がします。

 

ボス:そうだよね。実際、2メートルぐらいの高さの津波が直接建物にあたっただけで、ほぼ全壊すると言われているんだよね。水圧と勢いは強いと言われていて、でもその中で唯一可能性があるのはRC造(鉄筋コンクリート)のような気がする。3Dプリンター住宅は鉄筋が入ってないコンクリート造だから、そこの強度をどう担保するかは課題だね。

 

 

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もっと詳しく知りたい方は、ぜひYouTubeをご覧ください▾

https://www.youtube.com/watch?v=bAJnaqJSDkU

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