2025/06/19
選ぶ床材は環境に合わせて変えた方がいい?
今回は、床材についてお話しました。 梅雨に入った地域もあるそうですが、最近じめじめを感じるようになってきました。 そこで、環境に合わせて選ぶ床材を変えた方がいいのかな?と疑問になったので質問してみました。
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スタッフ:湿度が高くなってきてジメジメしだしたのですが、住宅ではどんな対策ができますか?
ボス:家電製品やサーキュレーターで、換気・調湿 湿気をコントロールすることかな。
スタッフ:なるほど・・この時期って、結構床がベタベタするのが気になるんですよね。
ボス:自宅の床材はちなみになにを使っているの?
スタッフ:無垢の木です。
ボス:無垢の木は時期によって隙間あいたりとか、パンパンにつまったりしない?
スタッフ:確かにはじめそうやって聞いていたんですが、今のところすごく気になったことはないです。
ボス:そうなんだね。基本的に無垢は足触りがいい、風合いがいいと言われているよね。ただ、梅雨時期になると水分を吸っちゃうから膨張する。乾燥した時期は、爪楊枝が入るぐらい隙間が空くこともある。だから、梅雨の前に床を掃除しておいた方がいいよ。膨張して隙間がなくなっていくはずだから、汚れやカビがあった場合、ずっとそのままになってしまう。
マイクロファイバークロスで掃除するといい。無垢は基本的に濡らさず、乾拭きがいいよ。
環境に合わせたおすすめの床はある?
スタッフ:地域によって気温(環境)が違ったりする。環境に合わせたおすすめの床はありますか?
ボス:それに関しては、仕上げ材でというよりかは、建物のスペックの話になるかな。例えば、北海道や東北の断熱と中部圏の断熱は違う。沖縄とか海沿いの塩害地域だと、錆びるってのがあるから使えるものも変わってくる。
インテリアの仕上げ材というよりかは、建築のところでカバーした方がいいね。でも、インテリアでできることといえば、ラグの種類をウールにするといいかな。ウール自体が調湿作用がある。空気中の湿度を吸収して、梅雨時期でもさらっとした使用感を出してくれる。
梅雨時期は換気したくても雨が降っていて窓を開けるのがしんどくなる。だから、サーキュレーターを置いて空気を回すといいよね。新築する人は天井扇をつけて空気を対流させるというのは1つポイント。
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最近の床材の傾向としては、昔に比べて無垢を使わなくなったかな。みんなの好みがどんどん変わっていっているのと、お手入れが大変っていうのがあるね。本物の木なので表面ペーパーで擦ればいいと言うけれど、シミは付いてしまうから、小さな子どもがいるとなると無垢よりかは、合板フローリングを選ぶ人が多い。表面だけ突き板で木にして、芯材は合板にして動きを減らすのが一般的には多いかな。
あとはタイルが人気だね。タイルだと汚しても拭けるから。
値段は高いけど、空間的には木 一色じゃなくなることでインテリアの可能性が広がるから、タイルはおすすめ。ただ冷たいから床暖は必須だね。
ただ、タイルは施工がうまくないと物を落としたら割れるとか、床暖房のコストが気になる方はフロアタイルをおすすめするかな。いわゆるPタイルというもの。住宅でも水まわりをPタイルにするところは非常に多いけど、全体的にPタイルを選ぶ方も増えてきているよ。
昔は本物志向の傾向があったから、木だったら「無垢」で、タイルだったら「本物タイル」が当たり前の状態になっていた。
でも、今はインテリアの可能性を広げたい。でもコストも考えて、Pタイルをはるという選択をする方も増えてきている。
実際にPタイルでも表情がいいものあるし、僕は割と柔軟だから、Pタイルを使うことにあまり抵抗はないかな。例えば、子どもが遊ぶ部分やスペースは、知らぬ間に汚されちゃう可能性もある・・なにかこぼしたりとかね。それでもPタイルであれば拭けば終わりだし、耐久性も高い。店舗で土足で上がっても使ってるくらいだからね。
もちろん、本物志向の方には本物を提案する。ただ、その辺にこだわりが薄くて、全体の色バランスを整えたいという方はPタイルとかそういうものを使う。今は本当に多様性だから・・インテリアもこの辺は柔軟にやっていきたいよね。
床材は室内の面積の大半を占めるので、目から入ってくる情報量として多いよね。日本は土足じゃないから、昔から木というイメージが強い。
でも、皆さんが好きなインテリアは海外の事例が最近は多い。そうなると、床材に木を使っていないことも多いんだよね。
木が好きな人が、床をタイルにして家具で木を置くという選択もあるよね・・そうすると木がよく目立つ。床材を木にするという考え以外にも、より良い木を目立たせるのであれば家具などで木を使って、あとは本当にシンプルにグレー、グレージュ、ホワイトで囲ってあげるというのはポイントかもしれない。グレー、グレージュ・・・ 最近またホワイトも人気になってきたし、ポイントでアースカラーのブルーやグリーンをすこし家具などで入れる。
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先日、ミラノサローネが終わったんだけど、隔年で照明のデザインの見本市も併設されている。Euroluce(エウロルーチェ)国際照明フォーラム。
今年のミラノサローネのキーワードは「新旧の調和」。あたらしいものそうだし、昔のデザインを再解釈して出す。家具にも復刻版があるよね・・昔のコルビジェのデザインを復刻させたとかさ。
「新旧の調和」といえば、100年前ぐらいに流行ったアール・デコやバウハウス。その辺のデザインというのも今また復活してきている。
バウハウスはドイツ語で「建築の家」という意味で、学校のこと。芸術やアート作品のデザインの最終行き着く先は建築だという考え。建築を教えているだけではなく、木工や文字のデザイン、グラフィックデザインとかも教えていた。
スタッフ:バウハウスは美術系大学ってことですか?
ボス:そうだね。美大、芸大みたいな感じ。ちなみに、このバウハウスの話を少しすると、初代校長はグロピウスという人で、そこから3代ぐらいまで続いていった。
第1次世界大戦のとき政治的な関与で弾圧され、14年間ぐらいでバウハウスはなくなった。それから、ほぼ有名人しか教授陣にはいない。ヨハネス・イッテンという色彩の神といわれている人とかね。
セロナチェアをつくった、ミース・ファン・デル・ローエが3代目校長先生。「Less is More」「神は細部に宿る」の言葉を残した人だね。
他にも、ファッション業界と、昔ながらの家具ブランドがコラボして色々出してたりしている。ジル・サンダーとトーネットで昔のマルセル・ブロイヤーのカンティレバーチェアを復刻させたり。
ファッション業界である、ジル・サンダーやサン・ローラン、ルイ・ヴィトンが色んな家具ブランドとコラボして昔生み出した家具を復刻させている。
昔は無かった素材、チタンで復刻させたり・・そういう取り組みをしている。カッシーナはコルビジェやジャンヌレの家具を変わらず出していたりするよね。
ボス:今年のトレンドは”快適性”というのと”サステナビリティ”だから、このテーマを考えると、昔のデザインから一回踏襲してやっていこうと思うと、やっぱりこのバウハウスというのは1つポイント。
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インテリアも今、多様性の時代だから。日本の住宅は床材=木 という固定観念を外してあげて考えてみてほしいな。
本物志向でコストをかけられるなら、タイルや特殊な塗りをするのもありだし、そこまで予算はかけられないけど、全体的な雰囲気をよくしたいなら、Pタイルを選ぶというのはあり。インテリアというのは全体のバランスだから・・目から見た情報量で気持ちが高揚するしないが決まってくる。 数値化はしづらいけれど、インテリアは空気感というのを表現している。
そこを大切にすると、いい空間ができるよね。
ちなみに、C.D.WORKERSの事例でいうと・・・
木の事例はworks「live」 無垢の床で、木の優しい感じを表現している。
タイルだったらworks「CONTRAST」works「ART BOX」works「WATER TERRACE」
works「CONTRAST」
works「ART BOX」
works「WATER TERRACE」
事例を比較してもらうとわかるように、木の量で印象がかなり変わってくるよね。
スタッフ:環境は床材というよりは断熱や換気方法などの建築的な部分で解決して、床材は好みで選んでもいい。それから、機能や予算、住む人がどういう暮らしをするのかというのも選ぶ基準になるということですね。
ボス:そうだね。それから、家具なんかが入ってくると、色とか素材がいろいろと入ってくる・・それを考えて、家は箱と捉えてシンプルにするか、少し装飾するのか。そこはバランスを見て建築家と一緒に決めていけばいいよね。
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