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2026/04/02

「失敗する勇気」「捨てる勇気」【超クリエイティブ力】

 

 

 

 

最近、海外からポツポツと仕事の依頼が舞い込むようになった。 どうやら、海外のデザインコンペの受賞歴を見て連絡をくれているらしい。

 

正直、クリエイターとしては千載一遇のチャンスだ。海外の大規模プロジェクト、しかも意匠デザイン。血が騒がないわけがない。 しかし、現実は甘くない。Geminiを駆使してメールを返してはいるものの、言語の壁、文化の壁、そして法律の壁が立ちはだかる。

 

現状の僕は「辞退」という選択を続けている。

 

30代前半の僕なら、間違いなく勢いだけで首を突っ込んでいただろう。リスクなんて「若さ」という燃料で燃やし尽くせばいいと思っていた。 だが、今の視点は少し違う。経営的なリスクヘッジと、表現者としての純度。その両方のフル回転させた結果、一つの結論に辿り着いた。

 

それは「捨てる」ということだ。

 

 

「引き算」ができるのは、足し算をやりきった人だけ

ここ数年、ミニマルでシンプルなデザインが定番だ。ピンタレストを開けば、洗練された海外事例がいくらでも出てくる。 だが、勘違いしてはいけない。最初から「シンプルなデザイン」を造れるのは一握りの熟練者だけだ。

 

絶妙なバランス感覚がないシンプルは、ただの「手抜き」や「無デザイン」に成り下がる。 事例を真似して「調べる力」だけでアウトプットを連発すれば、一時的には売れるかもしれない。だが、そんなものはすぐにAIに取って代わられる。

 

AIは「調べる」ことに関しては、僕らより数億倍優秀だ。 「書いては消し、造っては壊す」という泥臭いプロセスを効率化の名の下に捨て去り、調べた答えだけで勝負するクリエイターは、プロとしての賞味期限が赤福なみに短いと思う。
「考える」ことを放棄したプロダクトやサービスは、常にレッドオーシャンの二番煎じだなので、いつか必ず飽きられ、必要とされなくなる。



気を付けなければ…

 

失敗を資産とし、アウトプットして「成仏」させる

自分の幸せをどこに置くか。お金、名声、あるいは穏やかな生活。 何を望むにせよ、何かを手に入れるためには、何かを「捨てる」勇気がいる。

 

特に、時間をかけて練り上げたアイデアを捨てるのは、身を切るように辛い。「今までの時間とお金が無駄になる」という恐怖。それを人は「失敗」と呼ぶ。

 

僕も数えきれないほどの失敗をしてきた。同世代の中では失敗の打点だけは高い自信がある。 けれど、僕はそれを失敗と位置付けない。

 

なぜか?

 

その失敗を「鉄板ネタ」として周囲にさらけ出し、笑ってもらうことで「成仏」させているからだ。
失敗がデカければデカいほど、そのネタは一生モノの資産になる。ビジネス系インフルエンサーが言う「失敗を失敗と思うな」の真意は、精神論ではなく、こういう「経験の資産化」のことじゃないかと僕は思う。

 

一発退場のリスクを飼い慣らす

もちろん、建築の世界での失敗はシャレにならない。法律が絡む以上、一歩間違えれば世の中から「一発退場」だ。 だからこそ、プレイングマネージャーには、危険を察知する「見極め力」が求められる。

 

僕だって、できることなら失敗したくない。 でも、「ギリギリリカバリーできる範囲の失敗」は、実は嫌いじゃない。先ほど言った通り「資産」になるからだ。

 

想定外の事態に陥ったとき、自分の感情がどう動き、どう知見が広がっていくか。それを俯瞰で眺めるのは、クリエイターとして最高に面白い瞬間でもある。

 

冒頭の海外案件の話に戻ろう。 今は「見極め」の時期だ。法律も文化も違う異国の地で、ノーガードで突っ込めば一発退場もあり得る。 だが、そのリスクを乗りこなした先には、日本という枠を超えた圧倒的なクリエイティブな世界が待っている。

 

今年も、自分の行きたい国のコンペを狙い撃ちして、受賞を取りに行こうと思う。ハイリスク・ハイリターンなプロジェクトを、「最高の仕事」に変えるために、まずは不要なものを捨て、自分にしかできないデザインを見極めることから始めようと思う。

 

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もしこの記事が、クリエイティブに悩む誰かのヒントになれば幸いです。

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